コラム November 07, 2019

脳の覚醒以外にもある!寝る前のスマホ操作が与える悪影響とは?

質の高い睡眠を得ようという意識が、国民全体で高まっていることもあって、快眠を妨げる習慣の認知度も上がってきました。

寝る前にスマートフォン操作することは、その代表格として挙げられる行動ですが、実はあまり知られていない大きなデメリットが、もう1つあるんですよ。

ブルーライトは起床時に浴びるもの

スマートフォンやタブレット、パソコンなどから発せられる「ブルーライト」という光は、脳を刺激して自律神経の1つである交感神経のはたらきを活性化させます。
わたしたちが眠りにつく時は、心身をリラックスさせる副交感神経が優位の状態になるのですが、このタイミングで交感神経がはたらいてしまうと、脳が興奮状態に陥って、なかなか寝付けなくなってしまうんです。
逆に、目が覚めてまだ眠気に支配されている状態の時、ブルーライトの刺激を受けると、脳が目覚めて内臓も動き出すので、スマートフォンは寝る前に操作せず、起床時はニュースサイトなどを閲覧するといったルールを作っておくといいですね。
光の刺激を受けながら情報検索で頭を動かせば、早い段階で頭がスッキリするようになりますよ。

眠くなる時間がずれるのもブルーライトの影響

ブルーライトの光を浴びることのデメリットとして、もう1つ覚えておきたいのが、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌量が減るということです。
メラトニンは、朝起きて日光を浴びることで分泌が止まり、それに伴って私たちの頭も目覚めるんですね。
そして、それから約15時間後に再分泌され、私たちを眠りの世界に誘って、疲労回復とストレス回復を促します。
このメラトニンがブルーライトの影響で減ってしまうと、眠気を感じにくくなって、慢性的な睡眠不足に陥りやすくなるのです。

また、メラトニンの減少は、カラダの細胞の入れ替わりを促す成長ホルモンの分泌も妨げますから、美容面にも悪影響が及びます。
このようなブルーライトの特性を考えて、寝る前はスマートフォンを手が届かない位置に置くといいでしょう。
睡眠の質を上げるため、手元にスマートフォンをおいても使わないと決めても、メールやラインのメッセージが届くたびに、交感神経のスイッチはONになることをお忘れなく!

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)