コラム June 28, 2020

【快眠につながる自律神経の整え方】あえて不便な生活をしてみる?

私たちの生活は、「当たり前の便利」に囲まれています。
暑ければエアコンですぐに体温調整できますし、冷たいものが飲みたければ、冷蔵庫には冷やした水があります。
しかし、こうした利便性の高さが、知らず知らずのうちに自律神経を乱し、不眠につながっていることも。

エアコンの影響で熱中症になりやすい体質に?

わたしたちの生命活動をつかさどる自律神経は、体温や血圧調整、臓器のコントロールなど、さまざまな役割を担っています。
また、自律神経には、心身のはたらきを活性化して行動力や思考力を高める交感神経と、休息を促す副交感神経の2種類あり、常に対になってはたらいているんです。
日中は交感神経が優位になって、家事や仕事の効率をアップさせる一方で、夜は疲労とストレスを解消させるために副交感神経が活性化する、といった具合に。

しかし、本来は自律神経の仕事を、文明の利器が奪っていることにお気づきでしょうか?
その最たるものが、この時期に活躍するエアコンです。
暑ければ冷房を、寒ければ暖房をつけることで、常に快適な環境にできます。

本来であれば、体温が上がると自律神経が発汗を促し、気化熱でカラダを冷やすのですが、エアコンによる容易な温度調整によって、この機能が低下していきます。
これによって、汗をかきにくい体質に変化して、疲労が抜けにくくなったり、寒暖差に弱くなったりして、この時期は“夏バテ一直線”となるワケです。

冷えは万病のもとと言われる所以は?

エアコンと並んで、自律神経を乱すアイテムとして挙げられるのが、冷蔵庫です。
食品の衛生状態を守るための必需品ですが、冷たい飲料がいつでも飲める環境が当たり前になっているので、夏は必要以上に冷たい飲み物を摂ってしまいますね。
これによってカラダの冷えが進み、自律神経の乱れが加速して、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなるのです。

その結果、寝つきが悪くなるとか、眠りが浅くなるといった不眠につながることも。
このようなトラブルを避けるためにも、この夏は自律神経のケアを心がけてみませんか?

エアコンや冷蔵庫なしの生活はできませんが、
・暑いと感じたら適度に汗をかいて、カラダの機能で体温を下げる
・冷たい飲料は避け、ホットドリンクを積極的に飲む
このような行動を習慣にするだけで、自律神経は本来の働きを取り戻します。



寝る前に副交感神経が優位になり、眠りの質が保たれれば、夏バテ知らずの体質になれることが期待できます。
もちろん、夏だけでなく、1年を通して健康的な生活を送ることにもつながりますので、この記事を読んだことをきっかけに、自身の生活を見直してみましょう!

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)