コラム August 21, 2020

不眠症状が続いたら医療機関へ!事前に知っておきたい治療の流れ

布団に入っても眠れない、夜中に何度も目が覚めるなど、不眠に関する症状はさまざまですが、状態が長引く時はすぐに専門医に診てもらうべきです。
「睡眠薬は、飲むとやめられなくなる」
と考えている方も多いようですが、それは誤解です。

自分では気づいていない不眠の原因もお医者さんに探ってもらいながら、快眠を取り戻しましょう!

日常生活に支障が出たらすぐに診察を!

不眠の症状は、さまざまな要因が重なってあらわれることが多いです。
一時的にストレス過多の状態になり、寝つきが悪いとか、眠っても疲れが取れないと感じても、状況が改善したら眠れるようになるようでしたら、さほど心配する必要がありません。
しかし、日中に強い眠気が発生し、頭が常にボーっとするなど、日常生活に支障が出てきたら要注意です。

放置しておくと、さらに不眠の症状が悪化して、免疫力の低下を招いて病気リスクが高まります。
また、気分がすぐれない日々が続いているにもかかわらず、深い眠りが得られないと、ストレスへの対応力がどんどん低下していき、うつ病を発症することも・・・。
ドラッグストアに行けば、気軽に睡眠薬が購入できますが、これはあくまでも一時的な睡眠を改善するためのものです。

不眠の原因を探りつつ、質の高い眠りを取り戻すためにも、なるべく早い段階で心療内科などを受診してください。

医療機関における治療の流れ

医療機関における不眠症の治療は、薬物治療と非薬物治療に分かれます。
「睡眠薬は依存性があるし、副作用が強い」
というイメージがありますが、必ずしも治療に薬物を使うとは限らないと覚えておいてください。

症状がひどくて睡眠薬を使うケースでも、最初は副作用のリスクが低い薬が処方されます。
確かに、以前の睡眠薬は副作用が強いタイプもありましたが、最近は「メラトニン受容体作動薬」や「オレキシン受容体拮抗薬」など、安全性が高い薬で治療するのが一般的です。



また、薬の量なども、医師が症状の変化や副作用などの有無などを確認しながら調整し、次第に減量して安定した状態に導いてくれます。
クヨクヨしがちな方などは、カウンセリングを受けることで心が軽くなって不眠が解消するだけでなく、ストレスへの対応力が高まることも期待できますよ!
実際に睡眠薬を利用した方の8割は、3か月程度で不眠が解消されていますので、症状が悪化する前に心療内科や精神科を受診してみてください。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)