コラム September 08, 2020

【健康食品に対する正しい認識】青汁を飲んでも不眠は改善しない?

インターネット広告やテレビのコマーシャルで、目にすることが多い健康食品。
口コミや体験者の声を見たり聞いたりすると、さまざまな効果が得られるように感じますよね?

しかし、薬と違って健康食品を摂っても、すぐにお悩みが改善することはありません。
青汁や睡眠サプリなどを利用して、寝つきの悪さや睡眠の質を改善しようと考えている方は、本記事を熟読して正しい知識を身につけてください。

青汁のメラトニンでは快眠につながらない理由

健康食品の代表格として、昔から多くの方が愛飲している青汁。
野菜不足が補えるうえに、一部の商品では良質な睡眠をサポートするとうたわれています。

これは、原材料として使われているケールに、眠気を発生させる睡眠ホルモン「メラトニン」が含まれているからです。
ここで、みなさんに注目していただきたいのが、その含有量です。

快眠効果を出すには、1杯の青汁に30mgのメラトニンが含まれている必要があります。
これをケールの量に換算すると、なんと60kgになるんです。

青汁に含まれているメラトニンは、ごくわずかですから、継続的に飲んだとしても不眠が改善するとは言えません。

こうした錯覚を起こさせるような表現は、青汁に限らず、さまざまな健康食品に見られますので、イメージに左右されないようにすることが重要です。

“快眠は3度の食事が基本”をお忘れなく!

不眠症状を抱えることが増えたこともあって、最近は睡眠サプリも人気です。

「心療内科や精神科を受診するのは抵抗がある」
「睡眠薬は副作用が怖い」
などと考えている方が利用しているようですが、考え方は青汁と同じです。

快眠が期待できる成分は、商品によっては必要量が含まれていますが、あくまでも睡眠サプリは健康食品ですから、残念ながらすぐに効果はでません。

寝つきが悪いとか、夜中に何度も目が覚めるといった症状は、生活習慣を見直さないと改善につながらないんですね。

また、栄養摂取は3度の食事からが基本です。
朝食は抜かず、栄養バランスを考えて食事メニューを選ぶことが、睡眠の質向上につながります。

「睡眠サプリは、あくまでも快眠をサポートする健康食品」
ということを念頭に置いて、今日から規則正しい生活を心がけましょう!

・起きたらすぐに太陽光を浴びる
・朝食は必ず食べる
・お昼を過ぎたら、カフェイン飲料を避ける
・夜は照明を暗くする
・休日は寝だめをしない

上記5項目を実践するだけで体内リズムが整って、寝つきがよくなり、睡眠の深度も高くなりますよ。


(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)