コラム January 29, 2020

「達成感があるから頑張れる」は間違い!疲労との正しい付き合い方は?

仕事などがうまくいくと、それまで心身を酷使してきたにも関わらず、疲れを感じないことってありますよね?
この達成感は、疲労が隠れてしまっている状態で、意欲や気力でさらに頑張ってしまうと、自律神経が乱れて不眠症状を引き起こすこともあるんです。

その日の疲れは、その日の睡眠で解消するのが基本。
本記事を読んで、脳が出す疲労のサインに気づき、休息をとる習慣を身につけてください。



疲労が発生する前の2つのサインとは?

仕事や家事などを休みなく続けていると、カラダだけでなく脳にも疲労が蓄積していき、やがて心身にさまざまな不快症状が出てきます。
しかし、疲労を感じる前にも、脳が出す2つのサインがあることに、みなさんはお気づきでしょうか?

1つは、“集中力の低下”です。
好きなことに没頭していても、飽きを感じることがありますし、考えがまとまとまらずに時間が過ぎていくなんてことも。
この状態が進むと、今度は脳が休息の合図を出します。

それが、2つ目の“眠気の発生”です。
そして、眠気も我慢していると、“疲労”となって肩こりや腰痛など、さまざまな症状が出るんですね。
疲労が蓄積していくと、自律神経が大きなダメージを受けて、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなります。

これによって、寝つきが悪くなり、眠りについても浅い眠りが続いて、疲労やストレスが翌日に持ち越されてしまうんです。



頑張り屋さんは“隠れ疲労“にも要注意!

疲労の自覚に関して、もう1つ注意したいのは、本当は疲れてへとへとの状態なのに、やりがいや達成感が気持ちを支配してしまう“隠れ疲労”の状態です。

これは、疲れが発生しているのは、脳の自律神経中枢であるのに対して、疲労を自覚するのは眼窩前頭野と呼ばれる、別の部位であることが原因で起こります。

何事にも真剣に取り組む、頑張り屋さんに多く見られる傾向なのですが、達成感だけで自律神経が整うことはありません。

脳の疲れをとる手段は、適度な休憩と睡眠です。
この点に注意して、先ほどお話しした脳からのサインを感じたら、なるべく早く心身を休息させるとともに、夜は7時間前後の睡眠をとるようにしてください。

日中は、5分ほど目を閉じるだけでも、休息が進みます。
また、午後2時までを目安に、15分ぐらいの昼寝をすると、頭がかなりスッキリして、再び、仕事や家事に没頭できるようになりますよ。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)