コラム April 01, 2020

肩こり対策で鎮痛剤を飲むのはNG!痛みも強くなり不眠を招くことも?

我慢できないほどの肩こりを感じた時、みなさんはどのように対処していますか?
もし、日常的に鎮痛剤を飲んで症状を和らげているようでしたら、痛みがひどくなったり、不眠を招いたりする可能性があります。
正しい肩こり対策を覚えて、日常生活の質を上げていきましょう。

肩こりは交感神経の活性と血行不良が原因

長時間にわたって同じ姿勢をとっていると、肩が重く感じてきて、やがてコリを感じるようになりますね。
これは、ストレスの増大によって交感神経が活発にはたらき、血行不良を招いている状態です。
血管は収縮して疲労物質が溜まり、筋肉が緊張するのですが、しばらくすると不快症状を回復させるために副交感神経が優位になり、「プロスタグラジン」という物質が分泌されます。

この物質は、血管を拡張させて血行を促すと同時に、痛みや発熱を引き起こすのです。
コリの後に痛みを感じるのは、このようなプロセスでカラダが回復活動を始めるからなんですね。



このタイミングで鎮痛剤を飲むと、プロスタグラジンの分泌が妨げられるため、一時的に痛みは和らいだとしても、肝心な血行改善は進みません。
血行不良は自律神経の乱れを招き、夜になっても交感神経が活発になることで、快眠に誘う副交感神経がはたらかなくなり、不眠につながるというワケです。

コリは患部を温めて解消させるのが基本

では、コリがひどいときは、どのように対応すればいいのでしょうか?
まず、実践していただきたいのが、患部をタオルで温めることです。
温湿布を貼るのもいいですが、温かいタオルを肌に押し当てると、症状はかなり楽になります。

さらに、円を描くように腕を前後に回し、肩甲骨を動かすようにしてください。
この時に、胸を前に突き出すと、コリ解消が効率的に進みます。

下記の写真のような、ヨガのポーズをとるのもいいですね。



ただし、これらはあくまでも対処療法で、毎日運動を行なう、30~45分おきに休憩を取ってストレッチをするなど、普段から意識して血行を促すことも不可欠です。
寝る前にコリを感じる時も、今回紹介した方法で対処してみてください。
筋肉が弛緩してくると、深い眠りが得られることも期待できますよ!

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)