コラム May 13, 2021

【ドラッグストアで買える睡眠薬の注意点】常用はどうして危険?

コロナウイルスの感染拡大が止まらず、ストレスのたまる自粛生活が1年を超えました。
テレワークも普及しつつある中、生活のリズムが乱れて睡眠にも悪影響が及びやすい昨今、ドラッグストアで購入できる睡眠薬を利用する方が増えています。
しかし、薬を飲むリスクもしっかり理解しておかないと、さらなる健康トラブルが発生する恐れがあるんです。

睡眠改善薬の使用は数日が上限?

不眠などの悩みを抱える方が多くなったこともあり、街中のドラッグストアでも睡眠薬が手軽に購入できるようになりました。
しかし、医療機関で処方される睡眠薬との違いを知らないとか、間違った使い方をしている人が多く見受けられます。
ドラッグストアで手に入る薬は、正確にいうと睡眠薬ではなく「睡眠改善薬」であり、一時的な不眠を解消するために飲むものなんです。

薬を飲む期間も、ほとんどの薬が2,3日程度となっており、常用すると副作用が強くなることが注意書きに記されています。
自分の判断で継続して飲むようになると、不眠がさらに悪化したり、日中の集中力低下などにつながったりするので、注意が必要です。
車を運転する方でしたら、運転中に副作用が発生して事故を起こすリスクもあることをお忘れなく。
やむを得ず、睡眠改善薬を飲むときは、使用上の注意をしっかり読んでくださいね。

不眠の悩みはどの診療科目を受診すればいい?

不眠症の症状は、なかなか寝付けない、夜中や早朝に目が覚める、起床時の熟睡感がないなどさまざまです。
また、症状が発生する原因も自分では把握できていないケースも多いので、不眠が続いたら一刻も早く医師の診察を受けるべきです。
睡眠薬は内科でも処方してもらえますが、症状を改善するための診察は専門性の高い心療内科や精神科のほうが長けていますから、敷居が高いと思ってもまずは電話で問い合わせてみましょう。

睡眠薬は飲み始めるとやめられなくなると考えている方もいるかもしれませんが、最近の薬は安全性や依存性がかなり改善されています。
早期の治療が不眠のお悩み解消だけでなく、生活の充実度を取り戻すことにもつながりますよ!

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)