コラム August 31, 2020

台風が発生したらすぐに対策!自律神経と快眠を守る方法とは?

ここ数年、大型の台風が日本列島に上陸して、各地に甚大な被害を与えています。
今年も初夏から不順な天候が続きましたから、厳重な警戒が必要ですね。

また、台風が接近すると自律神経が乱れ、睡眠にも影響を与えます。
快眠を維持して活動的な日々をおくるためにも、“気圧の低下と体の関係“をしっかり覚えておきましょう。

脳が自律神経にストレスを与えるメカニズム

「気圧が低下して雨が降りそうになると、頭痛やめまいなどが発生する」
みなさんには、このようなお悩みがありませんか?

これは、「気象病」が引き起こす症状で、ほかにも古傷が痛むとか、更年期障害が悪化することもあるんです。
わたしたちの耳の奥には、内耳という器官があるのですが、ここが気圧の低下を感知すると、脳に「自分のカラダが傾いている」という情報を送ります。

一方で、目から得た情報に基づいて、脳はカラダがまっすぐの状態になっていると判断するため、2つの相反する情報によって混乱が生じるんです。
そして、自律神経にストレスが加わることで、さまざまな症状が出てきます。

これが、気象病によって体調不良が発生するメカニズムです。
自律神経が乱れると、夜になっても心身の活動モードがONの状態になるため、寝つきが悪くなるとか、夜中に目が覚めるといった不眠症状が出てきます。

このような体調不良は、台風が近づいてきたときや、夕立が発生したときにひどくなりますので、天気予報を常にチェックしつつ、適切な対策を講じましょう。

気象病対策に効果的な生活習慣とは?

気象病対策の基本は、
「規則正しい生活を送る」
ということにつきます。

起床後はすぐに太陽光を浴びて体内時計をリセット。
朝食をしっかり食べ、日中は適度の運動を行ない、睡眠時間が足りなかった日は15分程度の昼寝でカバーする。

夕方を過ぎて暗くなったら、間接照明などを利用して、光の刺激を避けるようにしましょう。
天井から明るい光が当たる環境だと、自律神経が休息モードに入らないんです。

夜は冷たい飲食物を避ける、シャワーではなくお湯につかるなどして、カラダを内側から温めます。
入浴は、布団に入る2時間前に済ませると体温が急降下して、寝つきの良さにつながりますよ。

そして、1日7時間(シニア層は6時間)の睡眠時間をとってください。

上記に挙げた生活習慣のすべてを、すぐに生活に取り入れるのは大変ですので、できることから始めることが重要です。

1か月ぐらいかけて生活改善すると、自律神経のON/OFFがしっかりできるようになり、低気圧が発生しても不快な症状が発生しにくい体質になります。
ちなみに、台風接近時に限らず、これから天気が悪くなるというタイミングで、耳栓をつけるのもおすすめです。
気圧の変化が内耳に伝わりにくくなるため、自律神経のダメージを最低限に抑えられますよ。


(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)