コラム January 21, 2021

冬のお風呂はお湯の温度に要注意!熱いお湯に浸かると睡眠が乱れる?

寒い冬の夜は、熱いお湯に浸かってカラダを温めたくなるものです。
しかし、このような行動が睡眠に悪影響を与えるだけでなく、重篤な病気を引き起こすリスクを高めること、みなさんはご存じですか?

熱いお風呂は寝つきを悪くする

夜になるとそのはたらきが活性化して、わたしたちを眠りに誘う自律神経(副交感神経)は、外部からの刺激を受けることで働きにくくなります。
熱もそのひとつで、皮膚を通じて強い刺激を受けると脳の動きが活性化して、副交感神経ではなく交感神経を優位にしてしまうのです。

これによって、入浴時はリラックスできても、脳が休息モードに入らないため、寝つきの悪さを招きやすくなります。
また、熱いお湯(42度前後)に浸かると、入浴直後は皮膚温が高く保たれるものの、時間の経過とともに手足が冷えていくことが分かっているんです。



逆に、39度前後のぬるま湯に10分程度入ると、カラダが芯から温まり、手足の温度低下も見られません。
寝る前は、手足から熱を放出して内臓の温度を下げる必要がありますから、快眠に適しているのは“ぬるま湯入浴”であることがわかりますね。

入浴前は浴室を温めるのが鉄則!

熱いお湯に浸かる入浴は、高血圧などの疾患を持っている方の場合、さらに注意が必要になります。
入浴前の浴室は温度が低下していますから、そこに裸で入ると血管が収縮するんです。

さらに熱いお湯に浸かると、収縮した血管が急激に拡張されるため血圧が急上昇し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクを高めます。
このようなトラブルを避けるためにも、入浴前はシャワーをしばらく出しっぱなしにして、浴室の温度を上げることを心がけてください。

また、入浴後の脱衣所も寒くなっていますから、浴室内でバスタオルを使い、カラダに付着したお湯や汗をしっかり拭きとり、服を着るようにすることをおススメします。



さらに、入浴後はすぐに髪を乾かす、ルームシューズなどを履くなどして、カラダの冷えを防ぎましょう。
もし、寝る前に手足が冷えていたら、5分ぐらいお湯に浸けて温めてみてください。

布団に入ってもポカポカをキープできますし、先ほどお話しした“寝る前に発生する内臓の温度低下”も促されて快眠につながりますよ。
(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)