コラム May 23, 2022

寝酒の危険性を再認識!お酒が睡眠薬の代わりにはならない理由とは?

大手製薬メーカーの調査によると、4人に1人は不眠の悩みを抱えているそうです。
その解決策として、お酒を睡眠薬代わりにしている方も多いとのこと。
そこで今回は、本コラムでも再三にわたって注意喚起している「寝る前お酒を飲むことのデメリット」について解説していきます。

1.眠りが浅くなって中途覚醒する

アルコールが体内に入ると精神的抑制が薄れてくるので、気持ちよく眠れることがあります。
その一方で、脳は覚醒状態にあるため睡眠は浅く、アルコールの分解が終わると夜中や早朝に目が覚めることも。

2.トイレに何度も行きたくなる

アルコールには強い利尿作用がありますから、尿意で何度も目が覚めます。
これによって、前項と同じよう不快眠りが得られなくなり、睡眠の質は低下するのです。

3.発汗量が多くなって身体が冷える

アルコールが分解されるときは、アセトアルデヒドという有害物質が生成されるんですね。
この物質は汗などとともに体外に排出されるため、発汗が促されます。
したがって、気化熱によって身体が冷えて風邪をひくことも考えられますね。

4. アルコール依存症になるリスクが高まる

寝酒を睡眠薬代わりにすることで、知らず知らずのうちに睡眠の質が低下。
そしてうつ症状が出て、さらにアルコールを飲むようになって依存症になるリスクも高まります。
いかがですか?
寝酒は百害あって一利なしであることが、改めてお分かりいただけたのではないでしょうか?
適度な飲酒はストレス解消につながりますが、寝酒が習慣になっている方は、今すぐに改めるべきです。

最近は、ノンアルコールタイプのビールやワインがたくさん販売されているので、こういうドリンクを寝酒にしてみてはどうですか?
それでも寝酒がやめられないという方は、重症化する前に診療科などを受診してみてください。
早期の治療が、早期の治癒につながります!

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)