コラム April 07, 2023

眠れないのはココロの自己防御反応である!日中の眠気は昼寝で解決!

仕事の失敗や失恋、人間関係のトラブルなどのショックを受けると、それが不安や悲しみとなって眠れなくなる・・・。
不幸な出来事によって眠れなくなるのは、誰にでも起こることです。

眠れないと
「不眠症ではないか」
と不安になるかもしれませんが、心配する必要はありません。

これは、つらい記憶を定着することを防ぐための、ココロとカラダの防御反応なのです。
本記事では、誰にでも起こる精神的ショックによる"一時的不眠"について解説していきますね。

記憶は睡眠によって定着する

嫌なことが起こった時に眠れなくなることは、実は心身の正しい反応です。
睡眠には記憶力を定着させる効果があるので、深く眠ってしまうとつらい記憶がいつまでも消えずに残ってしまいます。
つまり、不幸な体験をした後しばらく眠れなくなるということは、嫌な記憶がずっと残らないようにするための自己防衛反応なんです。

しかし、このことを知らないでいると、眠れないことへの心配や不安がストレスとなって、さらに眠れなくなってしまうことも・・・。
こうしたケースに陥ると、何とか眠ろうとして早めに布団に入ってしまう方が多いのですが、そうなると「寝床の中=眠れない場所」と脳が思い込んでしまって、ますます眠れないという悪循環が生じてしまうのです。
でも、こうした不眠は防御のための一時的なものだと自覚をしておくと、ストレスを軽減することができます。
つらいことがあったら無理に寝ようとするのはやめて、ヒーリング音楽を聴いたりリラックス効果の高いハーブティーを飲んだりして、気持ちが鎮まる行動をとりましょう。
心身の興奮を抑える副交感神経が優位になって、次第に眠くなってきますから、そのタイミングで布団に入るようにしてくださいね。

昼間の眠気は昼寝でリセット!

夜眠れないために日中の活動に影響が出るような場合は、短時間の昼寝が有効です。
昼寝をする時は、深い眠りに陥らないよう横になって寝るのを避け、椅子に座ったまま15分程度で終えるようにしましょう。
また、夜の睡眠に支障がないように、昼寝は14時くらいまでに終えるようにしてくださいね。
ただし、日中の作業中に強い眠気に襲われるとか、1ヵ月以上たっても不眠が改善しないようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。
たかが不眠と軽視していると、仕事で大きなミスをしたり、運転中の事故を起こしたりする危険性が高まりますから。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)