コラム April 15, 2023

【シニア層の方は必見!】睡眠時間を減らしたら眠りが深くなった?

「若いころからずっと同じように規則正しい生活を送っているのに、最近よく眠れない・・・」
シニア世代にとくに多いのが、このような睡眠のお悩みです。
なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目を覚ましてしまったりするようなときは、1度睡眠時間を見直してみましょう。
睡眠時間を短くすることで、睡眠が改善されるかもしれませんよ。

ベストな睡眠時間は年齢によって変わる!

「眠れない夜が続いているのに、睡眠時間を短くするのはおかしいのではないか?」
と思われるかもしれませんが、実は人間に必要な睡眠時間は年齢を重ねるとともに短くなっているんです。
厚生労働省の推奨睡眠時間は、10歳代では8~10時間、成人以降50歳までは6.5~7.5時間、60歳代以上で平均6時間弱となっています。

これは、年齢を重ねると日中の活動量が減るため、その分、休息として必要とされる睡眠時間は短くなるからです。
このように高齢になるにつれて、睡眠時間は短くすべきという事実は、あまり認知されていません。
眠れないのに無理に睡眠時間を長くとろうとすることは、ストレスも溜まって睡眠の質が悪くなってしまうのです。

布団の中にいる時間は6時間半がベスト

シニア世代の布団に入っている時間(眠ろうと床につく時間から起床まで)は、6時間半を目安にしてください。
これは、厚生労働省が60歳以上の推奨睡眠時間としている6時間に、寝付くまでの時間(約30分)をプラスしたものです。

上記のことを考慮すると、例えば、起床時間を朝6時にしたい場合は、23時半ごろに床につくといいことがわかりますよね。
「22時には布団に入って、朝は6時に起きる」
といった寝方は、快眠に逆効果となります。
眠れないのに長い時間布団の中にいすぎると眠りが浅くなるので、睡眠時間を短縮して深い眠りにつくようにしてください。
この方法は「睡眠時間制限法」と呼ばれていて、実際の不眠治療でも使われています。
若い時は「早寝早起き」、高齢になったら「遅寝早起き」にシフトしていきましょう。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)