コラム August 03, 2023

夏バテは高温のせいだけじゃない!紫外線がもたらす2つの悪影響とは?

気温の高さや寝苦しさによる睡眠不足など、夏バテになる原因はさまざまですが、意外と知られていないのが紫外線の影響です。
適度な日光浴であれば心身に好影響をもたらしますが、強い日差しを長時間にわたって浴びていると疲労が蓄積して、夏バテを助長します。
ここでは紫外線がもたらす疲労のメカニズムと、その対策について解説していきます。

紫外線が目に入ると炎症が発生する

紫外線の影響としてよく知られているのが、肌に当たることで発生するシミなどのトラブルですね。
わたしたちのカラダは紫外線が有害であることを知っていますので、太陽光を浴びるとその防御策としてメラノサイトという細胞が活性化し、メラニンを生成します。
このメラニンがお肌に残ると、シミになるんですね。

また、紫外線が目に入ると炎症反応が発生し、交感神経が刺激されて自律神経の疲労が蓄積されます。
すると、夜になると心身を休息モードに導く副交感神経への切り替えがうまくいかず、寝つきが悪いとか眠りが浅いといった睡眠障害を引き起こすのです。
暑さと湿気で睡眠の質が落ちている今の時期に、このような自律神経のダメージが加わると、寝ている間に回復される疲労とストレスは翌日に持ち越されてしまいます。

肌のバリア機能も低下して免疫も低下

紫外線による疲労蓄積は、お肌に当たる日光によっても進みます。
体内ではメラノサイトが活性化するだけでなく、活性酸素という細胞を老化させる物質が増加するのですが、これによってエネルギーの産生力が低下し、疲労感につながるというワケです。

さらに、紫外線によってお肌が持っているバリア機能も低下しますから、ウイルスなどが侵入しやすくなり、さまざまな病気を引き起こしやすくなります。
したがって、紫外線対策は美容のためだけでなく、夏バテ防止と健康維持のために必須の生活習慣と認識して、男女問わず徹底するようにしてください。
具体的には、男性でも外出するときはUVクリームを塗る、目のダメージを軽減するためにサングラスを着用するといった行動です。

また、体内で発生した活性酸素の除去を促すために、抗酸化物質(アボカド、キウイ、トマト、緑茶など)を毎日の食事に取り入れましょう。
夏バテになったらウナギや焼き肉を食べて精を付けるのもいいですが、その効果は一時的です。
それよりも、日ごろから日紫外線対策を行なって、夏バテ知らずのカラダづくりを習慣にしてくださいね。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)