コラム January 29, 2020

「たかが貧血」と侮るなかれ!不眠が進んで命に関わる症状を招く!

女性に多い貧血の症状。
朝起きた時から、立ちくらみを感じている方も多いのではないでしょうか?
この状態を放置すると、眠りが浅くなるだけでなく、全身が酸欠状態になって命に関わる病気を引き起こすこともあるんですよ。



ヘモグロビンの減少で起こる酸欠状態

女性は毎月、月経で出血がありますよね。
さらに、普段の食生活で鉄分の摂取が不足すると、全身に酸素を運ぶ「ヘモグロビン」という血液の成分が減少し、貧血の状態に陥ります。

香川県の赤十字血液センターの調べでは、女性は17%、男性でも5%近くの方が、鉄欠乏性貧血に陥っていることが分かっています。
貧血と聞くと、誰にでもある症状と軽視しがちですが、ヘモグロビンが減り続けるとカラダ全体が酸素不足になり、次第に睡眠が浅くなっていくのです。

さらに、心臓にも負担がかかることから、心不全などの重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。



日常生活で、下記挙げる症状や生活習慣がある方は、すぐに血液内科を受診して検査をしてもらい、治療と食生活の改善に努めましょう。

・月経時の出血量が多い
・爪がすぐに割れたりかけたりする
・顔色が悪いと頻繁に指摘される
・少し動いただけでも息切れする
・疲れやすい
・朝起きるまで時間がかかる
・朝食を食べない

寝ても疲れが取れないのも貧血が原因?

このように、貧血が続くと、睡眠中も全身が酸素不足に陥りますから、カラダの疲労が抜けにくくなります。

貧血のチェックポイントでも記しましたが、寝起きが悪いうえに、朝から疲れを感じている方は、病院で検査を受けたうえで、食生活を改善してみてください。
食べ物から摂取する鉄分には、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類あります。
この両方の鉄をバランスよく摂取することが、貧血の改善につながりますので、レバーや魚類、牛肉、海藻、納豆などを毎日の食事メニューに加えましょう。



鉄分摂取量の目安は、成人男性で1日7.0mg、女性は11mgです。
朝食を抜くと、鉄分が不足して貧血悪化につながりますので、朝起きたら全身に日光を浴びてカラダを目覚めさせ、食事をしっかりとるようにしてくださいね。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)