コラム November 15, 2020

【ウィズコロナ時代の常識】間違った寝具の消毒で不眠症になる?

新型コロナウイルスとの共存がはじまって以来、わたしたちは消毒の徹底が日々の習慣になりました。
帰宅時の手洗いだけでなく、持ち物や室内の家具など、あらゆる場所を徹底除菌している方も多いことでしょう。

しかし、消毒スプレーなどにはカラダにダメージを与える成分も含まれているので、使用時は厳重な注意が必要です。
健康リスクはもちろん、睡眠にもかかわってきますので、本記事でポイントを押さえていきましょう。

アルコール除菌で皮膚に炎症が起きる?

消毒剤で一番使われているのが、アルコールタイプになります。
ジェルやスプレーなど様々なタイプがあり、手の除菌だけでなく、外に持ち出したバッグや寝具の消臭にも使えるので非常に便利です。

しかし、アルコールは皮膚膜を溶かすほど強力な殺菌作用があるため、敏感肌の方が使うとアレルギー反応を起こしたり、皮膚炎などを発症したりすることも。
とくに、皮膚が薄い顔や首などにアルコールが付着すると、寝ている間に不快な症状が発生しやすくなりますので、寝具の消毒は朝や昼の時間帯に行なうようにしてください。

時間が経つとアルコール成分が揮発して、カラダへの悪影響は抑えられますよ。

塩素系漂白剤でカビの生命力が強くなる?

アルコール除菌剤ほど殺菌力は高くないものの、自宅にある安価な塩素系漂白剤でウイルス対策をしている方も多いことでしょう。
このタイプの除菌剤は、ウイルス対策には有効ですが、カビに対しては逆効果になることもあるんです。



強力な塩素をカビに吹きかけると、菌が死滅して黒色も消えていきますよね?
しかし、塩素に対して耐性をもった新しいカビが生えてくるようになり、このタイプの除菌剤では死滅しなくなるのです。

また、塩素系漂白剤も有害成分は揮発しますが、水分が多いため布に吹きかけると湿気が寝具内にたまるというデメリットも。
寝具に直接除菌スプレーを吹きかけると、部分的にカビは消えても、湿気を吸った生地が傷むことも考えられます。

このようなトラブルを避けるためにも、枕カバーやシーツに使うときは、一度外してから漂白して、しっかり乾かした後に寝具に装着してください。
これからも続く“ウィズコロナ”の時代、消毒をこまめに行なう習慣は重要ですが、除菌グッズを正しく使わないと、新たな健康リスクが発生します。

この点を忘れずに、コロナなどの対策を進めると同時に、快眠環境を守っていきましょう。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)