コラム October 01, 2021

腸内環境の改善で睡眠の質も変わる!今日から始めたい腸活のポイントは?

健康維持やアンチエイジングにたくさんのメリットが生まれることから、腸内環境の改善を意識する方が急増中。
実はこの"腸活"、睡眠にも好影響をもたらすこと、みなさんはご存じでしたか?

腸は全身の健康状態を左右する器官

食べ物の消化・吸収(小腸)や老廃物の排出(大腸)といったはたらきがある腸は、全身の健康状態に関わっている重要な器官です。
例えば、「腸は第二の脳」とも呼ばれているように多くの神経細胞が存在し、腸内環境が悪化すると脳のはたらきも低下します。
また、ウイルスなどから体を守る免疫細胞の60%は腸内に存在しているため、腸の機能が低下すると風邪を引きやすくなったり、傷が治りにくくなったりと、さまざまな症状が出てくるのです。

さらに注目なのは、腸内環境と睡眠の関係です。
腸内に棲みついている善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、自律神経のはたらきも乱れてしまい、心身をリラックスさせて休息に導く副交感神経が、夜になっても優位にならなくなることも。
ほかにも、眠気を発生させるメラトニンというホルモンの原材料であるセロトニンも、腸内細菌によってつくられているため、腸内環境の悪化はメラトニン不足を招き、不眠につながると覚えておきましょう。

食事の改善だけが腸活ではない?

腸内環境を整えるために重要なことは、善玉菌と悪玉菌のバランスを維持することです。
善玉菌の数が少なくなると、腸の調子は低下していきますので、エサとなる食材を積極的に摂るようにしましょう。
具体的な食材として挙げられるのは、納豆や味噌といった発酵食品や乳酸菌を含むヨーグルト、水溶性食物繊維が豊富な海藻や野菜です。
食事以外にも、腸内環境を整えるポイントがあります。
腸は交感神経優位の状態が続くと機能が低下してしまうので、夜になったら光の刺激を受けないように、パソコンやスマートフォンの使用を控えたり、部屋の照明を暗くして間接照明に切り替えたりしましょう。
また、腸の活動は夜中に高まりますから、毎日同じ時間に眠るようにすることと、寝る3時間前になったら食事は控えることも重要です。

このように生活習慣を改善していけば、心身の健康状態がアップするとともに、睡眠の質も向上していくことが期待できます。
深い眠りが得られることで疲労回復やストレス解消が進み、イキイキとした生活が送れるという好循環が生まれますので、さっそく今日から腸活を本格的に実践してみませんか?

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)