コラム May 19, 2023

緊張を解き放って眠りの質を上げる「ブラーマリー呼吸法」とは?

姿勢や呼吸、瞑想などを組み合わせて、ココロとカラダの緊張をほぐして安定をもたらすヨガ。
ヨガの基本はその呼吸法にあり、ストレスの緩和や自律神経を整えるなど、快眠に大きな効果をもたらします。
そこで今回は、ヨガの呼吸である「ブラーマリー呼吸法」について解説していきます。
本当に簡単にできる呼吸なので、今夜ベッドに入ったら試してみてくださいね。

ブラーマリー呼吸法はなぜ睡眠に効果的?

わたしたちは普段の生活でストレスが溜まったり、気分が落ち込んだりすると、自然と呼吸が浅くなります。
すると、酸素が脳やカラダに十分に届かなくなるため、脳の働きが悪くなり、集中力や記憶力の低下を招くんです。
さらにイライラや不安が生じるなど感情もマイナスに傾いてしまい、自律神経がバランスを崩して睡眠に悪影響を及ぼします。

そこでおススメなのが、就寝前に行う「ブラーマリー呼吸法」。
ヨガの基本である腹式呼吸(胸郭をなるべく動かさずに行う呼吸)を行うと、カラダにたっぷり酸素を取り入れることができるため、血流やリンパの流れが円滑になり、脳が活性化します。
すると自律神経が整い、副交感神経が優位に働いて心身がリラックスするので、眠りの質が上がりますよ。

ブラーマリー呼吸法のやり方

ブラーマリーとは、サンスクリット語で「メスの蜂」を意味する言葉です。
呼吸をする時、メスの蜂の羽音に近い低い周波数の音を出すことからこのように呼ばれています。
この呼吸のポイントは、頭蓋骨に振動を与えることと、深い鼻呼吸を基本としている点です。

冒頭でもお伝えしたように、やり方は簡単。
布団に入ったら目を閉じて、両耳に指を入れてふさぎます。
次に、鼻から息を吸いながら、カラダの力を抜いていきましょう。
そして、ゆっくり細く長く息を鼻から吐きながら、「ん~」と頭を振動させるようにして声を響かせます。
鼻の奥の方でハミングするようにすると、声が震えて蜂の羽のような音が出て、振動が全身に伝わりやすくなります。
振動が刺激となり脳が活性化して自律神経が整うので、意識して声が震えるようにしてくださいね。
約1分繰り返したあと目を開けると、緊張がほぐれてココロ穏やかになり、自然に眠気が訪れます。
もし、緊張が解けないようであれば、そのまましばらく続けてみましょう。

ブラーマリー呼吸法は精神的なリラックス効果が高いので、就寝前に行うだけでなく、大事な仕事を控えている時や試験前などの緊張する場面でも有効です。
不安な気持ちが強くなったら、ぜひ試してみてください。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)