コラム November 21, 2020

【家飲みする時に注意したいポイント】アルコール度数と免疫の関係

テレワークが拡大し、自粛ムードによって居酒屋などで飲む機会が減っている一方で、家飲みをする回数が増えたという方が多いですね。
しかし、アルコール度数が高い飲料の過剰摂取には注意が必要です。

免疫力が低下して疲れやすくなったり、ウイルスの感染リスクが高まったりすることも・・・。

わたしたちに備わっている免疫力とは?

新型コロナウイルスやインフルエンザ、カビやダニなど、わたしたちの生活環境にはさまざまな有害物質が存在します。
これらを体内に取り込むと細胞にダメージが加わるので、カラダは「免疫力」で対抗し、有害物質を攻撃して死滅させたり、体外に排除したりといった反応を起こすのです。

風邪をひくと発熱しますが、これはウイルスを熱によって死滅させるように、脳が指令を出しているために出る症状で、免疫機能も同時に活性化されます。
ところが、生活習慣が乱れると、生命維持に不可欠な免疫力は低下してしまうんです。

その代表格として挙げられるのが、アルコールの摂取。
度数が高いお酒を飲むと、のどがヒリヒリしますよね?
これは、ウイルスなどの侵入を食い止める粘膜がダメージを受けている合図なんです。

また、細菌などの異物を食べて排除する食細胞(マイクロファージ)の作用も、アルコールの過剰摂取によって低下することがわかっています。

“獲得免疫”も減少するメカニズム

アルコールによる作用で、もう1つ押さえておきたいのが、「獲得免疫の機能も低下する」ということです。
獲得免疫とは、食細胞の攻撃を受けなかった異物を、カラダが排除した後につくられる防衛機能で、同じ異物が侵入してきた際には即座に攻撃を開始します。
麻疹(はしか)にかかると、2度とかからないのは、体内に素晴らしい免疫システムができているからなんですね。

この獲得免疫も、アルコールのダメージを受けやすいという性質があります。
毎晩のように強いお酒を飲んでいたら、知らず知らずのうちに免疫力が低下して、新型コロナウイルスの感染リスクが高くなっているということです。

最近は、アルコール度数が高い缶チューハイが人気ですが、飲みやすさもあいまって飲酒量が増える傾向にあります。
免疫を落とさずに健康的な生活を送るためにも、飲む量や頻度に配慮しながら、“カラダにやさしい飲酒“を心がけましょう。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)