コラム September 01, 2019

睡眠の役割を再確認!脳の掃除に必要な“深睡眠”を得る方法!

わたしたちの体内には、日常生活においてさまざまな老廃物がたまり、それらは尿や汗などと一緒に体外に排出されます。

しかし、脳にたまった老廃物は体内にとどまりやすく、その量が増えると認知症リスクが高まり、命にかかわる病気を引き起こすことも。

そこで必要になるのが、脳の掃除ともいえる睡眠なのです。

脳の老廃物の正体は“アミロイドベータ”

わたしたちの生命活動に必要なたんぱく質は、脳内でも生成されていて(これを、アミロイドベータといいます)、無害なものと有害なものとに分かれます。

有害なアミロイドベータは、自然に排出されていくのですが、睡眠不足が続くと脳内にたまってしまい、正常な細胞を破壊してアルツハイマー型認知症を引き起こすのです。

アミロイドベータは50才前後から蓄積量が増える人も多く、生活習慣が乱れているとそのスピードが早まることが分かっています。

忙しい生活を送っていると、睡眠不足は仕方ないと考えてしまいがちですが、このような命にかかわる深刻な病気を招くことを認識しておきましょう。

深い睡眠には機能性の高い寝具も不可欠

アミロイドベータの分解を進めて、脳細胞にダメージを与えないようにするには、ただ眠るだけでは不十分です。

わたしたちの睡眠は、脳が休息に入るノンレム睡眠と、カラダの疲労回復が進むレム睡眠に分かれます。

さらに、ノンレム睡眠の深さは4段階に分かれており、「深睡眠(徐波睡眠)」と呼ばれる深度が高い眠りを得ることで、“脳の掃除”が進むんです。

このような理想の睡眠を得るには、規則正しい生活を送ることが必須であるのはもちろんのこと、睡眠環境を整えることも忘れてはいけません。

汗の水分を吸った、へたりの激しい敷寝具や、首が沈み込みすぎるような枕を使っていたら、寝苦しさを感じて夜中に何度も目が覚めてしまいます。 深睡眠を得るには、通気性にすぐれていて、体圧をしっかり分散する機能を持ったマットレスや、適度な反発力を持った枕を使うのがおすすめです。

寝具の買い替え時を判断するのは難しいですが、寝苦しさを感じたり、朝起きたときにカラダの痛みを覚えたりするようでしたら、脳へのダメージが大きくなっている可能性があります。

愛着がある布団であっても思い切って処分して、新しい寝具で深睡眠を目指しましょう!


(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)