コラム December 01, 2020

【スマホ認知症の恐ろしさ】睡眠に問題がある方は今すぐ対策を!

現代人の必需品となったスマートフォンは、生活の利便性を劇的に向上させた一方で、健康面にさまざまな悪影響も与えています。
なかでも、最近注目されているのが、“スマホ認知症”という症状。

物忘れがひどいとか、気分が沈んだ状態が長く続くといった不調を抱えている方は、すぐに生活習慣の見直しをしましょう。

脳にたまるゴミの正体とは?

わたしたちの脳内にある神経細胞は、シナプスを形成したり修復する過程で、「アミロイドβ」というゴミ(たんぱく質)を生成します。
この物質は睡眠時に排出が促されるのですが、慢性的な睡眠不足に陥っていたり眠りの深度が浅かったりすると脳内に蓄積していき、脳のはたらきに不具合を引き起こす原因となります。

・日常生活に支障が出るほどの眠気が昼間に発生する
・物忘れがひどく、単純なミスが多くなってきた
・趣味が楽しいと思えなくなった
・気分が落ち込む、イライラすることが多い

上記に挙げた症状のうち、1つでも当てはまる項目があったら、あなたの脳にもアミロイドβがたまっているリスクが高いと認識して下さい。
今は軽い症状にとどまっていたとしても、将来的に認知症を発症するかもしれませんよ。

睡眠不足を解消しつつ、眠りが深くなるように通気性や耐圧分散力にすぐれた寝具を使うなどして、眠りの質を高めていきましょう。

スマホの使用時間を抑えることも重要

アミロイドβの蓄積を促す生活習慣で、もう1つ覚えておきたいのが、
「スマートフォンの使用時間が長い
ということです。

情報を検索するだけでなく、SNSなどを見る行為でも脳にアミロイドβが溜まりやすくなり、先ほど挙げたような心身の不調をもたらします。
これが、最近よく耳にする「スマホ認知症」です。
さらに、寝る直前までスマートフォンを使っていると、画面から照射されるブルーライトの影響で睡眠の質が低下し、起床時から脳が疲れた状態に陥ります。

まずは、本記事で挙げた習慣を改善するとともに、眠れない日が続いている場合は、迷わずに心療内科などを受診しましょう。
早期の治療で活動的な日常生活を取り戻すことができ、認知症のリスク低下につながりますよ。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)