コラム June 21, 2021

【マットレスを購入する時の注意点】低ホルムアルデヒド仕様だけでは不十分?

ウレタンが素材に使われているマットレスは、シックハウス症候群の原因物質として知られる「ホルムアルデヒド」を発生させます。
ホルムアルデヒドは、目やのどなどに刺激を与えてアレルギー反応を引き起こすほか、濃度が上がると発がんリスクを高めるという特徴があるんです。
そのため、たいていのマットレスは、「低ホルムアルデヒド仕様」とうたっていますが、この言葉だけで安心するのは危険です。
自分や家族の睡眠と健康を守るためにも、本記事でチェックすべきポイントをしっかり押さえておきましょう。

身近にあふれるホルムアルデヒド

1990年代から「シックハウス症候群」という言葉を、よく耳にするようになりました。
これは、住宅に使われる木材や家具などから放出される化学物質が引き起こす、さまざまな健康障害の総称です。
(化学物質以外にも、ダニやカビもシックハウス症候群の原因となります)

体調不良をもたらす化学物質の代表格として挙げられるのが、接着剤に含まれる「ホルムアルデヒド」で、濃度が高くなればなるほど健康リスクが高まっていきます。
ホルムアルデヒドは、接着剤だけでなく、私たちが身に着けている衣料の一部やたばこの煙、ネイルカラーや部屋の壁紙などにも含まれているんです。

つまり、わたしたちは、ホルムアルデヒドに囲まれて生活を送っていることになります。
このような環境下で暮らしながら、夜も有害な化学物質をマットレスから吸い込むとなると、睡眠中にアレルギー反応が出て寝苦しさを感じ、深い眠りの妨げとなるかもしれません。

マットレスを買うときにチェックすべきこと

ウレタンマットレスを選ぶときは、ホルムアルデヒドが抑えられている商品を選ぶのが基本です。
ただし、メーカーが一方的に"安全"をうたっているだけでは安心できません。
マットレスを使う人の睡眠と健康をしっかり考えているメーカーでしたら、第三者機関に寝具から放出されるホルムアルデヒドの濃度を測定してもらっています。
快眠が得られそうな魅力的なマットレスでも、このポイントは必ずチェックしてください。

もし、ホームページなどに記載がなかったら、メーカーのサポートセンターに電話して確認することをおススメします。
化学物質で体調不良が発生し、睡眠の質が低下すると、わたしたちの免疫力も落ちていきます。
ウィズコロナの生活はまだ当分続くことが予想されますから、この機会に室内や睡眠環境を見直して、健康維持に努めましょう。

(監修:精神科医・内科医 豊田早苗医師)