日本全体が“嫌煙”にシフトしていることもあって、以前より喫煙者の数が減っています。
それでも、JTが調査した喫煙率の結果は、男性が27.8%、女性が8.7%の割合となっていて、シニア層に近づくほど禁煙しない傾向にあることが分かりました。
喫煙にはさまざまな禁煙リスクが伴いますが、実は不眠の原因になるってこと、みなさんはご存知でしたか?
ニコチンの作用で脳が覚醒する
「タバコを吸うと気分が落ち着いて、リラックスできる」
これは錯覚です。
タバコに含まれているニコチンには、強い依存性を発生させる作用があり、それは覚せい剤よりも強力なんです。
ニコチンは一度摂取すると、精神が安定する効果が得られますが、体内の残留量が減少すると気持ちが次第に不安定になり、イライラしたり気分が落ち込んだりする頻度が高まります。
このタイミングで新たにタバコを吸うと、ニコチンが脳に作用して、禁断症状が緩和。
これが、心身のリラックスと錯覚するメカニズムです。
また、ニコチンを摂取すると脳が活性化しますから、寝つきが悪くなるだけでなく、眠りについた後に何度も目が覚める「中途覚醒」を引き起こすことも。
これによって、睡眠の質はどんどん低下して、朝の目覚めの気分は最悪になり、日中は睡眠不足で頭が回らず、それをタバコでごまかすといった負のスパイラルに陥ってしまうのです。
昼間の喫煙はもちろんですが、“寝る前の一服”は最悪のリラックス方法だということを認識してくださいね。
眠りの悩みを抱えている方は、迷わず禁煙外来へ!
喫煙がカラダに良くないことは分かっていても、長年にわたってタバコを吸ってきた方が、禁煙するのは非常に大変なことです。
しかし、ニコチンだけでなく、タールの影響で肺も大きなダメージを受けますし、年齢を重ねるごとに深い眠りもとれなくなってきますから、命にかかわる病気を引き起こすリスクがどんんどん高まっていきます。
こうしたリスクと、生活の質が低下することを考えたら、タバコの本数を徐々に減らす努力はすぐにするべきです。
どうしても、タバコを減らせないという方は、禁煙外来を設置している病院に足を運んでみましょう。
ストレスを最低限にしながら禁煙を実現し、睡眠の質も改善できるようになりますよ。